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犬奸

注釈 7
448
原文字数
786
訳文字数
7
注釈数
~2
読了時間

📖日本語訳

青州の賈某は、客として外地に滞在し、常に年を経ても帰らなかった。家には一頭の白犬を飼っており、妻はこれを引き寄せて交わり、習慣となっていた。ある日、夫が帰り、妻と共に寝た。犬が突然入り込み、床に登り、賈某を噛み殺した。後に里人たちが少しこのことを聞き、共に不平を申し立て、官に訴えた。官は婦人を桎梏につなぎ、婦人は伏しなかったので、収監した。犬を縛って来るよう命じ、始めて婦人を出した。犬は突然婦人を見ると、直進して衣を裂き交わる様子を作った。婦人は始めて言葉を失った。二人の役人に部院へ解き送るよう命じ、一人は人を、一人は犬を解き送った。その交わりを見ようとする者があり、共に金を集めて役人に賄賂を贈り、役人は牽いて集め交わらせた。その止まる処には、常に百人の観者が集まり、役人はこれによって利益を得た。後に人犬共に寸磔にされて死んだ。嗚呼!天地の大きさ、真に無所不有なり。然れど人面を持ちて獣と交わる者は、独り一婦人なるや?
異史氏が之に為る判曰く:「濮上に会い、古く交わって譏り;桑中に約し、人且つ歯にもかけず。乃某者、雌守るの苦しみに堪えず。苟合の歓びを浪思う。夜叉が床に伏し、竟是家中の牝獣;捷卿が竇に入り、遂に被底の情郎と為る。雲雨台前、續貂の尾を乱れて摇らし;温柔郷里、曳象の腰を頻りに款ぐ。鋭錐が皮囊の中に在り、一たび股を縱ずれば而して穎を脱ぐ;留情が鏃項に結び、甫めて羽を飲めば而生根す。忽ち異類の交を思い、直に匪夷の想に属す。尨が奸を吠えて而して奸と為り、妒残して凶殺し、律は蕭曹に以て治め難し;人は獸に非ずして実に獸なり、奸穢淫腥、肉は豺虎に食われず。嗚呼!人が奸殺せば、女は剐に擬す;至於犬が奸殺せば、陽世は遂に其刑無し。人が不良なれば、罰して人を犬と作る、至於犬が不良なれば、陰曹は法に窮すべし。宜しく支解して魂魄を追い、押赴して閻羅に問うべし。」

📝注釈

犬奸

人間と動物の性交を指す言葉で、中国の古典文学における異常な性的関係の一形態。

寸磔

古代中国の処刑方法で、身体を細かく切り刻むこと。

濮上・桑中

いずれも『詩経』に登場する場所で、男女の私通を意味する典故。

蕭曹

漢の蕭何と曹参のことで、古代中国の有名な法律家を指す。

續貂の尾

元の意味は価値の低いものを価値の高いものに続けることで、ここでは犬の尾を指す。

曳象の腰

象の腰を引くことで、犬の腰を指す比喩。

古代中国の処刑方法で、身体をゆっくりと切り刻むこと。

📜原文

青州贾某,客于外,恒经岁不归。家蓄一白犬,妻引与交,习为常。一日,夫归,与妻共卧。犬突入,登榻,啮贾人竟死。后里舍稍闻之,共为不平,鸣于官。官械妇,妇不肯伏,收之。命缚犬来,始取妇出。犬忽见妇,直前碎衣作交状。妇始无词。使两役解部院,一解人而一解犬。有欲观其合者,共敛钱赂役,役乃牵聚令交。所止处,观者常百人,役以此网利焉。后人犬俱寸磔以死。呜呼!天地之大,真无所不有矣。然人面而兽交者,独一妇也乎哉?
异史氏为之判曰:“会于濮上,古所交讥;约于桑中,人且不齿。乃某者,不堪雌守之苦。浪思苟合之欢。夜叉伏床,竟是家中牝兽;捷卿入窦,遂为被底情郎。云雨台前,乱摇续貂之尾;温柔乡里,频款曳象之腰。锐锥处于皮囊,一纵股而脱颖;留情结于镞项,甫饮羽而生根。忽思异类之交,直属匪夷之想。尨吠奸而为奸,妒残凶杀,律难治以萧曹;人非兽而实兽,奸秽淫腥,肉不食于豺虎。呜呼!人奸杀,则女拟以剐;至于犬奸杀,阳世遂无其刑。人不良,则罚人作犬,至于犬不良,阴曹应穷于法。宜支解以追魂魄,请押赴以问阎罗。”