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崂山道士

注釈 10
956
原文字数
238
訳文字数
10
注釈数
~1
読了時間

📖日本語訳

ある邑に王生という者がいた。兄弟の中で七番目で、旧家の息子である。若い頃から道を慕い、崂山に仙人が多いと聞き、笈を負って遊びに行った。山の頂上に登ると、幽玄な観宇があった。道士が蒲団に坐り、白髪が襟まで垂れ、神々しく爽やかな風采であった。王生は礼を尽くして語りかけると、その理は甚だ玄妙であった。師として請うと、道士は「おそらく嬌惰で苦労ができないだろう」と言った。王生は「できます」と答えた。道士の門人は甚だ多く、夕暮れになると皆集まった。王生は皆と稽首し、観中に留まった。

📝注釈

崂山

中国山东省青岛市にある道教名山で、仙人が住むとされる霊山として知られる

霓裳舞

唐玄宗の時代に流行した舞踊で、月の世界を描いたとされる伝説的な舞

嫦娥

中国神話に登場する月の女神。夫の后羿が得た不死の薬を盗んで月に飛び去ったという伝説がある

広寒宮

中国神話における月の宮殿。嫦娥が住むとされる

樵蘇

薪を採ること。ここでは道士の門人たちが行う修行の一環

盎盂

水や酒を入れる容器。盎は大きな容器、盂は小さな容器のこと

日本語では「はし」に相当する食事用具。ここでは道士たちが使う不思議な道具として描かれる

伧父

教養のない粗野な男を指す言葉。ここでは道理をわきまえない愚かな人々を皮肉っている

吮痈舐痔

他人の悪いところや過ちをごまかし、迎合する卑しい行為を指す成語

宣威逞暴

権威を示し、暴力を振るうこと。ここでは王生のような愚かな人々が求める無謀な力を指す

📜原文

邑有王生,行七,故家子。少慕道,闻劳山多仙人,负笈往游。登一顶,有观宇,甚幽。一道士坐蒲团上,素发垂领,而神光爽迈。叩而与语,理甚玄妙。请师之。道士曰:“恐娇惰不能作苦。”答言:“能之。”其门人甚众,薄暮毕集。王俱与稽首,遂留观中。
凌晨,道士呼王去,授一斧,使随众采樵。王谨受教。过月余,手足重茧,不堪其苦,阴有归志。一夕归,见二人与师共酌,日已暮,尚无灯烛。师乃剪纸如镜,粘壁间。俄顷,月明辉室,光鉴毫芒。诸门人环听奔走。一客曰:“良宵胜乐,不可不同。”乃于案上取酒壶,分赉诸徒,且嘱尽醉。王自思:七八人,壶酒何能遍给?遂各觅盎盂,竞饮先釂,惟恐樽尽;而往复挹注,竟不少减。心奇之。俄一客曰:“蒙赐月明之照,乃尔寂饮。何不呼嫦娥来?”乃以箸掷月中。见一美人,自光中出。初不盈尺,至地遂与人等。纤腰秀项,翩翩作“霓裳舞”。已而歌曰:“仙仙乎,而还乎!而幽我于广寒乎!”其声清越,烈如箫管。歌毕,盘旋而起,跃登几上,惊顾之间,已复为箸。三人大笑。又一客曰:“今宵最乐,然不胜酒力矣。其饯我于月宫可乎?”三人移席,渐入月中。众视三人,坐月中饮,须眉毕见,如影之在镜中。移时,月渐暗,门人燃烛来,则道士独坐而客杳矣。几上肴核尚故。壁上月,纸圆如镜而已。道士问众:“饮足乎?”曰:“足矣。”“足宜早寝,勿误樵苏。”众诺而退。王窃欣慕,归念遂息。
又一月,苦不可忍,而道士并不传教一术。心不能待,辞曰:“弟子数百里受业仙师,纵不能得长生术,或小有传习,亦可慰求教之心;今阅两三月,不过早樵而暮归。弟子在家,未谙此苦。”道士笑曰:“吾固谓不能作苦,今果然。明早当遣汝行。”王曰:“弟子操作多日,师略授小技,此来为不负也。”道士问:“何术之求?”王曰:“每见师行处,墙壁所不能隔,但得此法足矣。”道士笑而允之。乃传一诀,令自咒毕,呼曰:“入之!俯首辄入,勿逡巡!”王果去墙数步,奔而入,及墙,虚若无物,回视,果在墙外矣。大喜,入谢。道士曰:“归宜洁持,否则不验。”遂助资斧遣归。抵家,自诩遇仙,坚壁所不能阻,妻不信。王效其作为,去墙数尺,奔而入;头触硬壁,蓦然而踣。妻扶视之,额上坟起,如巨卵焉。妻揶揄之。王惭忿,骂老道士之无良而已。
异史氏曰:“闻此事,未有不大笑者,而不知世之为王生者,正复