第30話
促织
注釈 3件
172
原文字数
332
訳文字数
3
注釈数
~1分
読了時間
📖日本語訳
宣徳年間、宮中で蟋蟀の戯れが尚ばれ、歳ごとに民間に徴した。この物はもともと西の産ではない。華陰の令が上官に媚びようと欲し、一頭を進め、試しに闘わせると才があったので、常に供するよう責めた。令はこれを里正に責めた。
市中の遊侠児が佳い者を得ると籠で養い、その直を昂げ、居ながらにして奇貨とした。里胥は猾黠で、この科を仮りて丁口を斂め、一頭を責めるごとに、輒ち数家の産を傾けた。
邑に成名という者がおり、童子業を操り、久しく售れなかった。人となりは迂訥で、遂に猾胥に報じられて里正役に充てられ、百計営謀しても脱することができなかった。歳を終えずして、薄産は累ね尽きた。
たまたま蟋蟀を徴することになり、成は敢えて戸口を斂めず、また賠償する所もなく、憂悶して死にたいと欲した。
市中の遊侠児が佳い者を得ると籠で養い、その直を昂げ、居ながらにして奇貨とした。里胥は猾黠で、この科を仮りて丁口を斂め、一頭を責めるごとに、輒ち数家の産を傾けた。
邑に成名という者がおり、童子業を操り、久しく售れなかった。人となりは迂訥で、遂に猾胥に報じられて里正役に充てられ、百計営謀しても脱することができなかった。歳を終えずして、薄産は累ね尽きた。
たまたま蟋蟀を徴することになり、成は敢えて戸口を斂めず、また賠償する所もなく、憂悶して死にたいと欲した。
📝注釈
促織(そくしょく)
コオロギ。鳴き声や闘わせて楽しむ虫
里正(りせい)
村の長。税の徴収などを担当
里胥(りしょ)
村の下級役人。しばしば悪徳な者として描かれる
📜原文
宣德间,宫中尚促织之戏,岁征民间。此物故非西产;有华阴令欲媚上官,以一头进,试使斗而才,因责常供。令以责之里正。市中游侠儿得佳者笼养之,昂其直,居为奇货。里胥猾黠,假此科敛丁口,每责一头,辄倾数家之产。邑有成名者,操童子业,久不售。为人迂讷,遂为猾胥报充里正役,百计营谋不能脱。不终岁,薄产累尽。会征促织,成不敢敛户口,而又无所赔偿,忧闷欲死。