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せいそう

注釈 5
222
原文字数
492
訳文字数
5
注釈数
~2
読了時間

📖日本語訳

釈体空が言うには、青州で二人の西僧を見た。容貌は古風で異様であり、耳に双環をつけ、黄布をまとっていた。髪と髭は縮れていた。自ら西域から来たと言う。
太守が仏教を重んじていると聞き、面会を求めた。太守は二人の下役を遣わし、寺院へ送り届けさせた。和尚の霊轡は、彼らをあまり丁重にもてなそうとしなかった。
寺院の執事は彼らが尋常でないのを見て、ひそかにもてなし、宿泊させた。ある者が尋ねた。「西域には多くの異人がいると聞きます。羅漢には、もしかして奇術があるのですか?」
一人の僧がにっこり笑い(冁然)、袖から手を出した。掌には小さな塔を載せており、高さは一尺にも満たず、玲瓏として可愛らしかった。壁の最も高いところに小さな龕(仏龕)があった。僧はその塔をそこへ投げ入れると、塔はそびえ立って端然とし、少しも傾くことはなかった。塔の上には舎利が光を放ち、部屋中を照らした。しばらくして、手で招くと、塔は再び掌の中に落ちてきた。
もう一人の僧は、片方の袖を脱ぎ、左の肱(ひじから肩まで)を伸ばした。長さは六、七尺にもなり、右の肱は縮んでなくなってしまった。次に右の肱を伸ばすと、左と同じようになった。

📝注釈

番僧(ばんそう)/ 西僧(せいそう)

西域(中央アジア、インド方面)出身の僧侶。異国の風貌と異術を持つ者として描かれる。

和尚霊轡(わしょう れいひん)

寺院の住職と思われる。「霊轡」は僧の名か、尊称。

羅漢(らかん)

阿羅漢。悟りを開いた高僧・聖者。ここでは西域の高僧を指す。

玲瓏(れいろう)

「玉や宝石が透き通って美しい音を立てる様子」。精巧で美しいことを指す。

擲塔其中(とう そのちゅう に てきす)

「塔をその中(龕)に投げ入れる」。日常的な動作で超常的な現象を起こす。

📜原文

释体空言:在青州,见二番僧,像貌奇古,耳缀双环,被黄布,须发鬈如。自言从西域来。闻太守重佛,谒之,太守遣二隶,送诣丛林,和尚灵辔,不甚礼之。执事者见其人异,私款之,止宿焉。或问:“西域多异人,罗汉得毋有奇术否?”其一冁然笑,出手于袖,掌中托小塔,高裁盈尺,玲珑可爱。壁上最高处,有小龛,僧掷塔其中,矗然端立,无少偏倚。视塔上有舍利放光,照耀一室。少间,以手招之,仍落掌中。其一僧乃袒臂,伸左肱,长可六七尺,而右肱缩无有矣;转伸右肱,亦如左状。”